「不明熱」って聞いたことがあるでしょうか。ある日突然発熱を起こし、発熱以外の症状がほとんどない、という状態です。原因とされるものには様々な疾病が隠れているといわれています。
血圧検査、尿検査に始まり、精密な血液検査や、レントゲン検査、CTスキャン、胃カメラ、大腸内視鏡、MRI、その他ありとあらゆる検査をしても発熱の原因がわからないケースを「不明熱」というそうです。
原因となる命にかかわる病気としては、「がん」「血管内リンパ腫」「白血病」などあるといわれています。白血病は血液検査で発見されることも多いのですが、その前に発熱症状を起こすこともあるそうです。
そして最も恐ろしいのは、原因が特定されないまま症状がなくなってしまい、数年後に再発するということ。その時に原因が初めてわかり、もう手遅れ、ということが少なくないこと。
私は健康オタクなので、病気の名前や病原菌のことなど、結構知っていましたが、恥ずかしいことに、今回かかってしまった「不明熱」については、全く知りませんでした。
突然38℃以上の熱がでて、私の場合それが1週間以上続いて、その後は微熱(36.5~38℃未満)が3週間続くといった症状です。
不明熱とは?
不明熱とはいったいなんなのか?現段階での定義は、日本臨床検査医学会によると
38.3 度以上の発熱が何度か認められる状態が 3週間を超えて続き,1 週間の入院精査でも原因が不明のもの
ということです。実は私の場合入院もしなかったので厳密には不明熱ではないことになります。ただ、診てもらった医師に診断書を書いてもらったら「不明熱」の診断でした。
少しわかり難いかもしれませんが病名のところに「不明熱」としっかり記載されています。原因が不明なので、医者としても治すための治療ではなく、対処療法(解熱剤の投与)しかできない、といった厄介な状態です。つまり自分の力で治すしかないのです。
不明熱の始まり
私の不明熱は以下のように始まりました
前立腺の症状から
本格的に発熱する2、3日前から排尿痛や排便痛といったいわゆる前立腺に関わるような症状がありました。昔、前立腺炎と診断されたことがあり、その時にもらったセルニルトンという薬を飲んでしのいでました。
ところが、突然38℃以上の熱がでて夜中に寒くて起きました。いわゆる「悪寒戦慄」という状態です。しばらく布団の中でブルブル震えていましたが、さすがに我慢できなくなって解熱剤の「ロキソニンS」を2錠飲みました。本来1錠しか飲んではいけないのですが、熱を測ると39℃でていたので1錠では心もとなかったからです。
ぼちぼち出勤の時刻が近づいてきて、これは病院だな、と思い会社に休みの連絡を入れ、病院に向かいました。
病院で状況を説明し、体温を測定すると36.4℃ととても先ほどまで39℃あったとは思えなく、看護師さんも怪訝そうな表情で私をみます。医者も同じように怪訝そうでしたが、前立腺の触診と血液採取をしました。触診は特に異常なし、血液検査の結果は以下です。この日は結局、前立腺炎の抗菌薬と解熱剤(ロキソプロフェン60mm)を処方されました。
白血球とか血小板とか、あるいはCRPとか炎症をおこしたときに必ず上がる数値に関しては異常なし、また、肝機能の数値が悪いときにも発熱があるそうですが、これもまた異常なしとの事で医者は首をかしげるばかりです。その後、腰から胸までのCTスキャンも撮りましたがこれも異常なし。
この時の医者は泌尿器科の先生だったので、内科にいってみたら、ということで私の住む市内の比較的大きな病院の内科に血液検査の結果と、CTのデータをもって行ってみました。
2件目の医者は・・・
内科に向かったのは、前立腺の症状が治まったころで発熱から4日後。実はこの間、40℃以上の発熱が何度もあり、苦しかった。そんな中、内科にいくとこのケースの原因は
「20%がウイルス、30%が悪性腫瘍、30%が膠原病、残りは本当にわからない」
のだそうで、多くの項目の血液検査をしましょう、と言われました。結果がでるまで数日かかるというのでそれからは、38℃出なけければ、解熱剤はのまないという決断をしました。それはウイルスが原因だった場合、有効な薬はないからです。自力でなんとかするしかないのです。
そして後日血液検査の結果が出ました。それが以下です。
炎症を示すCRPや白血球、血小板はもちろん、腫瘍マーカーや膠原病の時に異常を示す項目も全く異常ありません。この検査の血液を採取した時の体温は38.6℃なので原因となることがあれば、数値に異常がでてもおかしくないのです。
この医者は、
「もう、僕には何もわからないし、どうにもできない。あーもうなんにもわからない」
なんて言うんです。患者の立場としては、苦しんでいるから病院にきているのに、こんな事言われたらどうすればいいのでしょう?わからないなら、わかりそうな病院に紹介状を書いてきれるなり、してくれてもいいのに・・。あまりの無責任さになにも言えなくなってしまいました。
病院名と個人名をさらしたいところですが、ぐっと我慢して「田舎の医者はこの程度なのか」と諦めました。もっとましな医者を探すことにしました。さらに自分の自然治癒力や免疫力を上げるためにどうすればいいか、徹底的に調べることにしました。
不明熱との戦闘開始
自分で治すと言っても、原因がわからないと対処の方法すら思いつかない状況です。まずは自分の体を信じて、高熱が出なければ、薬に頼らないという方法で37℃後半まで熱を下げることができましたが問題はこの先です。
3件目の病院へ・・はたして原因がわかるのか?
体調が悪いのもさることながら、原因がわからないのはなんとも気持ちが悪いものです。それはこのまま、もし熱が落ち着いたとしても再発の可能性がないのか、ということです。
ちなみに「不明熱 原因」で検索をかけると恐ろしい病名がどんどんでてきます。勿論、固形ガンが原因の場合もありますが、いわゆる血液腫瘍のケースも多く見られます。悪性リンパ腫や、結構恐ろしいのは血管内リンパ腫という病気で、発見そのものが難しくてわかった時には、手遅れなんてケースもあります。
その他には、各種の膠原病、またテレビでも紹介されたことがある「慢性活動性EBウイルス感染症」。EBウイルスとは、ヘルペスウイルスの亜種で、ほとんどの人が持っているウイルスで、普段はおとなしくしているが、何らかの原因で突然発症する。進行が速い人が多く、発見が遅れて死に至るケースも多いのです。
この病気は難病指定されていない。なぜなら、発見が難しいから。とにかく、不明熱には、恐ろしい病気が書かれている可能性が高いという認識だけはあった。
そんなことを考えつつ、3件目の病院へ行ってきました。ここは私の住む市内では、1,2を争う規模の病院で最初にどこの科にかかるか、を考えてくれるシステムもあります。そして紹介されたのが、やはり内科でした。
緊急血液検査、緊急尿検査ということで通常は数日かかる検査をすぐにやっていただき、その結果は以下です。
今度の先生に前回の先生の捨て台詞を話すと
「なんて医者だ。それで紹介状もかかないのか。」とあきれていました。今度の先生は簡単には見捨てないだろうと確信しました。血液検査の結果ですが、前回と同じように発熱の要素になるような異常はなし、とのこと。まだこの時点では体温が高かったのでカロナールという解熱剤を処方してもらいました。
実は、この時年末で、最後の診療の日だったのです。この後2週間後に再び病院に行きますが、それまでに何をするか、というのが私自身の課題でした。コンセプトとしては、原因がわからない以上、万病に効くといわれている民間療法でできることをやるしかない、と決めていました。
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